屋根にメンテナンスフリーはある？ない？

メンテナンスフリーって、魅力的な言葉ですよね。

先に結論から言いましょう。屋根にメンテナンスフリーはありません。
どの屋根でもメンテナンスは必ず必要です。

では、なぜ屋根がメンテナンスフリーといっているのか。

それは屋根材単体でいえばの話です。

屋根材には、メンテナンスフリーといっても良いものもあります。

例えば、よく言われているのが瓦で耐用年数は50年以上です。

日本家屋といえば、瓦が思い浮かぶほど昔から引き継がれてきた屋根材で、住宅だけではなく、お城やお寺でも使われています。

耐久性が最も優れた屋根材ではありますが、災害時に瓦が落ちてしまったり、瓦がズレてしまうということが多く、災害が多い日本においては、敬遠されがちな屋根材になっています。

しかし、それは屋根を造る上での施工方法の問題であり、瓦自体は耐用年数が長く、月日が流れれば流れるほど味わい深い色になる素晴らしい屋根材です。

このように屋根材だけでいえば、メンテナンスフリーなものはありますが、屋根は屋根材だけで造られていません。

屋根材を載せるための下地が必要です。

屋根材によって、どんな下地を使うかは異なりますが、よく使われているのが野地板とルーフィング（放水シート）です。

この野地板とルーフィングの耐用年数は長くても20年ほどです。

ここが経年劣化によりボロボロになってしまうと雨漏りの原因となるのです。

屋根の構造として、屋根を形成している垂木を隠して屋根材を載せるための土台となるのが野地板です。

野地板がないと、この後に敷くルーフィングも屋根材も載せることができません。

そして、ルーフィングは防水シートと言われるように雨水を室内へ侵入させないようにするためのシートです。

これがなければ、簡単に雨水が侵入して雨漏りが発生してしまいます。

誤解されている方も多いようですが、実は屋根材だけでは雨水の侵入を止めることができません。

ほとんどルーフィングで雨水を止めているのではないかといっても過言ではないくらいルーフィングは屋根にとって重要な役割を持った建材になります。

それを裏付けるかのように、よく他のサイトでルーフィングを最後の砦と書かれていることが多いのも、このような理由からと分かれば頷ける方もいらっしゃるのではないでしょうか。

このように屋根は野地板・ルーフィング・屋根材で造られています。

いくら耐用年数が長い屋根材を使っていても、下地となる野地板やルーフィングが劣化して使い物にならなければメンテナンスとして交換が必要となります。

このような理由から現時点で屋根にメンテナンスフリーは、ないといって良いでしょう。