黒い屋根は室内が暑くなるって本当？

日本の住宅の歴史上、瓦屋根が多かったため、瓦の色が屋根の色と定着しています。

瓦特有のシャーペンの芯のような色合いのいぶし瓦の色や暗めの色、原色に近い赤や青などといった色が屋根の色という共通認識になっています。

その中でも黒い屋根は、高級感や重厚感が出て、カッコいい見た目になります。

ここで気になるのは、屋根を黒くすることで、室内が暑くなってしまわないかということですが、残念ながら、黒い屋根の住宅の室内は暑くなります。

なぜなら、みなさんもご存知の通り、黒は太陽の光を吸収するからです。

特に屋根は、太陽の光をたくさん浴びるところになり、全ての光を吸収してしまいます。

その吸収した光が熱に変わり、室内に熱が伝わるので、室内温度にも影響を与えやすいです。

この光の吸収や室内に熱を伝えることを防止することができる塗料があります。

遮熱塗料とは、太陽の光を反射させる効果がある塗料のことで、保温する機能は備わっていないため、夏場に特に活躍する機能をもった塗料になります。

ただし、100%太陽の光を反射させるということではなく、一般的な塗料と比べて、太陽の光を反射する量が多くなります。

吸収される光が少なくなるので、熱に変わる量も同じように少なくなり、室内温度にもそこまで影響を与えません。

そのため、遮熱塗料の黒や濃い色なら、夏の暑さを感じることがなく、涼しく過ごすことも可能です。

より、太陽の光を反射させて、室内を快適にしたい場合は白に近い明るめの色を選ぶことをおすすめします。

断熱塗料は、太陽の光を反射することはできませんが、太陽の光を吸収して溜める機能を持っています。

そのため、太陽の光で作られた熱を室内へ伝わりづらくしてくれます。

太陽の光を溜めることができるということは、保温効果も見込めるため、夏は熱を伝わりにくくして涼しく、冬は溜めた熱で暖かく過ごすことができます。

屋根の色には左右されないので、黒や濃い色にしても十分な効果を発揮してくれます。

このような機能が備わっている分、塗料の価格は高くなりますが、夏も冬も快適に過ごしたい方にもおすすめです。

ただし、断熱材がしっかり入っている住宅や断熱効果がある屋根材に断熱塗料を使っても効果は感じにくいかもしれません。

そのため、屋根が金属系の住宅や断熱対策をしていない住宅などで使うと効果を発揮しやすいので、おすすめです。

黒い屋根だと、太陽の光を吸収して熱に変えてしまうため、室内は暑くなってしまいます。

現在では、遮熱塗料や断熱塗料などといった塗料があり、黒や暗い色でも室内の温度に影響せず、快適に過ごせるものもあります。

屋根材の性能として断熱効果を持った屋根材もあります。

色で迷うことはあると思いますが、様々な性能を持った材料を利用して好みの色にしながら、快適な暮らしも得られるので、怖がらずに業者に希望を伝えてみるのはいかがでしょうか。