茅葺き屋根の葺き替え目安とコストはどのくらい？

茅葺き屋根とは、日本古来の屋根の一つで、いね科の植物であるチガヤ・ススキなどを材料にしています。
いね科の植物であるチガヤ・ススキの総称を茅(かや)と呼ぶため、茅葺き屋根と呼ばれています。

イメージしやすいのは、世界遺産に登録された白川郷の集落にみられる屋根かと思います。

意外に思うかもしれませんが、茅葺き屋根は断熱性・耐水性・吸音性に優れた屋根材となります。

しかし現在では、減少傾向で地方の集落や古民家風のお店・歴史的建造物などでしか見られなくなりました。

その大きい理由として、葺き替えのコストがかかることと火事になった際に大火事になりやすく、鎮火することも難しいことが挙げられます。

茅葺き屋根のメンテナンス方法としては、丸葺き・分割葺き・差茅（さしがや）があります。

丸葺きが全て葺き替える方法で、現在でいうところの葺き替えになります。

劣化の状態にもよりますが、全使用量の1/4〜1/3の古茅を再利用して葺き替えを行うこともあります。

分割葺きが屋根を分割して葺き替える方法で、差茅が劣化が激しい部分のみを替える方法です。

大体の目安として、15年〜20年目で丸葺きをします。

それ以外でも差茅など、こまめにメンテナンスをすることによって長持ちします。

葺き替えのコストとしては、職人の人件費や足場代、材料の運搬費や廃材処分費などを含んで1500万円〜2000万円ほどかかります。

かなり高額ですよね。これが茅葺き屋根が減少した理由の一つになります。

工期としては約1ヶ月ほどかかります。

ところで、茅葺き屋根にカバー工法ができると知っていましたか？

実は可能なのです。

茅を残しておくことで、茅が元々持っている断熱性などをそのまま残すことができ、水分を茅葺き屋根に入れさせなければ何十年も腐らずに保つことができます。

また、コスト面でもカバー工法なら費用が抑えられ、後々のメンテナンスも楽になります。

茅葺き屋根へのカバー工法は、以下のような工程で施工します。

施工時に気をつける点として、茅の上と新しい屋根材の間に空間がないと湿気が溜まり、茅が腐る原因になるので、必ず茅の上と新しい屋根材の間は空けるようします。

もし、茅葺き屋根のカバー工法をする場合は業者を選ぶ一つの基準としてこの点を業者に確認しましょう。