広い屋上で採用されるアスファルト防水！熱工法って何？

マンションやアパートなど、人が立ち入らない屋上の防水といえば、アスファルト防水の熱工法でした。

熱工法は、溶融(ようゆう)したアスファルトとアスファルトが含まれたルーフィング （シート状のもの）を何層にも重ね合わせて防水層を作る施工方法で、100年以上の歴史がある防水工法です。

溶融とは、固体が熱を受けて液体になることを言い、熱工法は、この溶融したアスファルトを使用することが特徴です。

溶融したアスファルトは、固まるのが早いです。

そのため、現場にアスファルトを溶融するための溶融釜持ち込み、現場で溶融を行い、施工をします。

溶融窯は、窯というだけあって、かなり大きい物になり、設置するスペースがないと施工ができないため、広い屋上に適しています。

施工時のデメリットとして、防水工事用のアスファルトは220℃～270℃で溶融して使用しますが、その時に独特な臭いや煙が発生します。

その臭いが周囲にも届いてしまうため、注意が必要です。

一方で、この熱によって液体化し、すぐに固まるというアスファルトの性質を利用したのが、この熱工法という施工方法です。

溶融したアスファルトがルーフィングを貼り付ける接着剤の役割も果たしてくれ、それを何層にも重ねることで、厚みができ、強い防水層を作るのです。

費用や工期は、施工場所の広さによって変わってきますが、アスファルト防水の費用相場は約5,500~8,000円/㎡になります。

工期は、溶融アスファルトが固まる時間が短いですが、工程が多いので約1週間〜2週間を目安として考えた方がいいでしょう。

アスファルト防水の熱工法の施工方法について、簡単にご紹介します。

今回は、アスファルト防水の熱工法について解説しました。

施工方法を見て分かる通り、熱工法は溶融アスファルトが多く使用されていることが特徴的です。

しかし、溶融アスファルトは200℃〜270℃と非常に熱く、職人のヤケドや施工場所の火災などの危険が付き纏います。

そのため、最近ではアスファルト防水の中でも安全で環境にも配慮した工法が採用されることが多く、熱工法が採用されにくいのが現状です。